「分かってはいるんだけれどねぇ…。」とその80代の女性は言葉を漏らしました。
高齢者講習を受けに来た方です。
年齢的に考えて自分はそろそろ免許証返納しなければならないだろうなぁということだと思われます。
それでも生活にどうしても車が欠かせないから悩んでいるのでしょう。
その女性は80代とは思えないほどとてもしっかりした話し方をしており、柔らかな雰囲気を持つ女性でした。
またこの女性の認知機能検査の結果が第二分類であり、高齢者講習の実車指導において2回も一時停止の標識を見逃してしまったことも残念ながら覆すことのできない事実だったのです。
生きているものは必ず老います。
それは私もあなたも、美しく咲き誇る花々も皆そうなのです。
高齢者の皆さんが気持ち良く健やかに生活しながら今後どのように車やバイクを運転していったら良いのか、また免許返納についてどう捉えていけたら良いのかを、このページで一緒に考えていきましょう。

【免許返納】65歳以上の人の4人に1人が認知症とその予備軍
認知機能の低下も人によって違ってきますが、
「認知症にならない「脳活性ノート」」という本には次のように書かれています。
65最以上の人の4人に1人が認知症とその予備軍
2013年の厚生労働省の調査では、国内の認知症患者は推定約462万人、軽度認知障害も約400万人いるといわれ、これを合わせると65最以上の人の4人に1人は認知症かその予備軍ということになります。
さらに2025年には、認知症患者だけで700万人に達すると推定され、65歳以上の人の5人に1人が認知症という計算になります。
認知症にならない「脳活性ノート」より
高齢化社会に突入し、このような調査結果が出ているということに驚かれた方もいらっしゃっるのではないでしょうか。
しかしながらこれは推定される事実です。
車やバイクの運転に関しては生活から切り離せないものであることから、大きな社会問題となっていくことは必至。
もうこれはしっかりと「自分のこと」として向き合った方が良いということです。
私たちはいつまでも若々しくいたいもの。
その上で、「老い」はいつか誰にでも訪れるものだ、ということを、まだ運転を続けられる私たちこそ覚えておきましょう。
これから先「高齢者講習」は「試験制度」が導入される
現在の高齢者講習では、長くても180分で終わるようになっていますが、令和4年5月からは「試験制度」が導入される見込みです。
まだどのような「試験制度」になるのかは分かりませんが、変わることは決まっています。
これに対し「ええ!?そうなの!?」と思うのは、実はこれから高齢者になっていく40代〜60代の方々ではないでしょうか。
これからさらに厳しくなる、これはもはや現在の高齢者の問題だけではないと感じたはずです。
そしてもし先ほどの80代の高齢の女性のように「一時停止を見逃した」となると、「試験」ならばそこで終了。
当然ながら、それはもちろん「一時停止違反」だからです。

【高齢者講習でも!?】実は多い「一時停止違反」

現在の高齢者講習で行われる実車指導では、実は一時停止違反で注意される方が非常に多いです。
このままだと、高齢者講習でとても多い「一時停止違反」を「試験」でやってしまうということになりますよね。
「そんな、試験に落ちたらどうしよう。生活に困ってしまう!」
と考え、悩む方はとても多いはずです。
高齢者講習での実車指導では一時停止を見逃したとしても、「あれ?そうだったの??」で終わります。
これが自動車教習所の外での出来事だったとしたら、それは突然「加害事故への道」となります。
高齢者講習の実車指導の話どころではなくなるのです。
こうなると一気に身近に感じ、
「それは危ないなぁ」
「事故を起こしたらどうしよう」
「自分が事故を起こしたら」
「親が」
「おじいちゃんが、おばあちゃんが」
「どうしよう」
と思う方が多いのではないでしょうか。
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これらの制度の変更予定を踏まえ、私たちは長期的にものごとを考えていく必要があります。
高齢者講習の前に認知機能検査を心配するよりも、自分の認知機能は少しずつ落ちていくことや、いつも安全運転を心がけていくことが何よりも大切です。
そして常日頃からの認知機能低下を防ぐこと、運動をして足腰の健康を保つこと。
これらは普段の生活はもとより免許返納後の生活を豊かにすることにも大きくつながります。
今後は間違いなく高齢者の問題はさらに大きな社会問題になります。
自分が「私は大丈夫だよ」と言えるように、まだまだ若い頃から習慣づけていくのが良いでしょう。
免許返納を考えるのはほとんどが事故を起こしてから
高齢者で運転されている方は、実は「運転できるくらいにはまだまだ元気な方が多い」のですね。
高齢でどこかしら体の調子は悪くても、運転ができるくらいには元気。そういった方々はさまざまな場所に出かけることができ生活を楽しんでいます。
車はシニアのための乗り物だと言うのも納得できますね。
そして免許返納をするのも元気で運転しいていた時に事故を起こしたりしてからが多いのです。
認知機能が低下し身体も弱くなってくると車の車庫入れなどに失敗して車を軽くぶつけてしまったり、それこそ公道で事故を起こしてしまう場合です。
「免許返納を考えなくちゃ」と思ってはいても、実際にはこういった機会に遭遇して初めて「免許返納」について本気で考えると言うわけです。
その際はなかば強制的かもしれません。
それは避けたい。
そして事故はもっとも避けたいこと。
事故を起こしてからでは遅いですよね。
そのようになる前に免許返納を考えていくことはとても大事なことなのです。
それでは次のページで、具体的にはどうしたら良いのか考えていきましょう。
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